動物より劣っているところ

動物より劣っているところ

先の事を心配する人間

 

 

人間は万物の霊長である。

 

人間は最も進化した生き物である。

 

 

だから、どんな動物よりも優れているのかというと
実は、そうでもない・・・

 

 

人間が、他の動物よりも
ちょっとだけ偉いところは、

 

来年のもみまで、食べてしまわないところだ。

 

 

これは、何かに書いてあったのを見て、全くそうだと感じた。

 

 

 

来年の事を考えて、ちゃんと準備が出来る。
備えあれば憂いなし、というところだ。

 

これが、他の動物には出来ない、
人間の素晴らしいところだ。

 

 

 

だけど、人間が、他の動物よりも
絶対的に劣るところがある。

 

来年のもみを、取っているにもかかわらず、
来年の心配をするところだ。

 

 

 

動物は、来年の心配は、しない。

 

来年の準備をしていないのに、
憂いていない。

 

ここが、絶対的に
人間が動物に、かなわないところだ。

 

 

 

ただ、生きるように生きて
死ぬ時がきたら、静かに死ぬ。

 

全く悟っているかのようだ。

 

 

 

食べ物は、天から与えられている。
寝る場所も、天から与えられている。

 

 

人間だって一緒なのにね。

 

 

 

準備しているのにもかかわらず、

 

なぜ、人間は心配をするのだろう。

 

 

 

無くならないのに、なぜ、無くなると思うのだろう。
充分あるのに、なぜ、もっと欲しいと思うのだろう。

 

 

創造することが出来る人間は、
確かに万物の霊長である。

 

 

自己実現を追求していくのも、素晴らしいと思う。

 

 

 

素晴らしい人間は、もっと素晴らしくなって良い。

 

 

先の事は、誰にもわからない。
自然の災害の前には、人間なんて無力だ。
手も足も出ない。

 

ただ、自然に従うのみ。

 

 

 

私も、熊本地震を体験した。

 

震度7の揺れである。

 

 

 

震度6の地震が何度も来た。
余震は、かなりの期間続いた。

 

人間って、本当に無力である。
なすすべがない。

 

 

 

揺れるはずのない台地が、あんなに揺れるのである。

 

壊れるはずのない、頑丈な建物が壊れるのである。

 

 

 

人間の決めたものなど、みな幻想だ。

 

この土地が、どこからどこまでは、誰誰さんのものだ、とか
いったい、誰が決めたのだろう。

 

土砂で埋もれたり、水で流されたりしたら、
地面の境界線は、なくなってしまうのだ。

 

それは、もともと誰かのものではない。
国のものでもない。

 

 

この世のものは、全部
天から与えられたものだ。

 

 

 

木や虫や動物たちも、自然と共存している。
人間も、その一つだ。
命も与えられたものだ。

 

 

大きな災害を体験した人は、わかられると思うが、

 

命があって良かった。
助かってよかった。
ただ、それだけである。

 

 

そして、分け合う。
足りないところには、すぐさま救援物資が届く。

 

本当にありがたい。

 

 

皆さんの愛が、胸に響く。

 

だから、自分の所に少ししかなくても、
困っている人に分けてあげたいと思う。

 

 

自分にできる事はないだろうか、と
皆がそれぞれに心を配る。

 

 

 

これから先の不安、片付けなければならないこと、
雑多な事を目の前にしていても、

 

ただ、今に、感謝できるのである。

 

 

ある意味、これが人間の究極の
魂の喜びではないのか、と思う。

 

 

 

あれから、もう、2年が過ぎた。

 

 

そして、あの時の気持ちも、
だんだん薄れてきているように思う。

 

 

隣の人と励まし合って、喜びあって、分け合って、
遠くの人からの愛情もしっかり受け取って
ありがたいな、という想いと、

 

今、生きている事の感謝の気持ちが
あの時は、確かにあった。

 

 

先の事は解らないけれど、
今、生きていられて良かったね、と、みんなが思った。

 

 

そして、やり残した事は、今やらなくちゃ!と心から思った。
命は、天からの贈り物だ。

 

この命尽きるまで、自分の役目をしっかり果たそう。

 

 

 

地震で気づいたことは、たくさんあった。
これも、魂磨きの良い勉強だったと思う。

 

 

地震の後の復興作業は、まだまだ続いている。
爪あとは大きい。

 

 

地震の後に家を建て替えるところは、
みな小さな平屋だ。

 

余計な広さや、見栄はいらない。
ものも最低限あれば良い。

 

 

みんなが、そういうことに気がついてきた。

 

 

 

そして、どんな状況でも、

 

思いやりや愛情があれば
そこは、すぐにパラダイスになるのだということも

 

しっかりと心に刻んだのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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