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糸島旅行記 

 

糸島旅行記@

 

 

 

 

高校時代の同級生四人で、

 

福岡の糸島に一泊旅行をすることになった。

 

 

 

旅行に行くことになるまでには、いろいろな経緯があったのだが、

 

説明すると長くなるので、割愛することにする。

 

 

 

一泊という事もあって、みんなの日程が

 

なかなか揃わなくて苦労したのだが、

 

それでも何とか、出発できて、喜びもひとしおだった。

 

 

 

 

 

梅雨ということもあり、朝から洪水警報まで出され、

 

どうなることかと危ぶまれたが、

 

帰ってくるまで傘を開くことは一回もなく、

 

 

不思議に行く先行く先、雨がやみ、

 

晴れ間さえ覗くお天気に恵まれたのである。

 

 

 

 

さすがに、日頃の行いが良いからね (私の…)

 

…と、気分上々になりながら快適な旅はスタートした。

 

 

 

 

 

今回の一番の目的は、糸島にある、

 

僧伽小野 一秀庵という宿に泊まり、

 

タイのマッサージをうける、というものなのだが、

 

 

この、一秀庵というところは、

 

 

以前は、政治家さんや、お相撲さんなどの接待に使われていた

 

らしくプライベートな別荘だったらしい。

 

 

 

 

 

さて、雨も止んでいる事だし、私たちは4人合流したところで

 

マリノアシティに寄り道することにした。

 

 

 

 

 

マリノアシティでいろいろ物色し、

 

海の見えるレストランでランチをした。

 

 

景色も良く、最高だ。

 

 

 

 

 

ベーコン入りのトマトソースのパスタとフォカッチョをたのんだ。

 

普段ならば、セットを頼むところだが、

 

これから先、一秀庵でのごちそうの事を考えると、

 

 

今はあまり、食べるべきではないと判断した。

 

 

 

 

 

 

しかし、このパスタが、予想外に量が多かった。

 

フォカッチャは、お代わり自由だったのだが、

 

 

いやいや、ここで食べたら、せっかくのこれからのご馳走が

 

入らなくなっては困る、とみんなガマンしていた。

 

 

 

 

 

それから、糸島の方に向かい、海べたを車でとばした。

 

 

私は助手席で、ヨウコの運転だ。

 

海岸沿いに走ると、景色は最高だし、お天気もいいし、

 

気持ち良くって、幸せを感じる。

 

 

 

 

 

途中、アートなお店と、手作り石鹸のお店と、

 

卵を使ったお菓子工房に寄り道をした。

 

 

 

ケーキ屋さんで、プリンとロールケーキを

 

宿についてから食べるのだと、ショウコが買っていた。

 

 

 

 

 

あちこち、ウロウロしていたので予定より

 

一時間ほど遅れて一秀庵に到着した。

 

 

 

 

 

ついてすぐに、作務衣を着たお坊さんのような

 

いでたちの方が、ご案内してくれた。

 

 

 

 

まずは、海が目の前に見えるバーのような所で

 

ウエルカムドリンクは、何が良いかたずねられ、

 

 

お香もお好きなものを選んでください、と言われた。

 

何という、嬉しい気配りだろう…

 

 

 

 

ドリンクは、冷やの日本酒銘柄違いの二種(甘口と辛口)

 

それと、アルコール抜きの甘酒があった。

 

 

 

 

 

初めにユミコが辛口といったので、私は甘口にした。

 

 

ショウコとヨウコは甘酒を選んでいた。

 

 

 

 

 

しかし、結局みんな人のが気になって、「一口飲ませて」

 

ということになり、みんなでちょっとずつ味わった。

 

そうして、私の選んだ甘口のお酒が一番美味しい、と

 

言い合っていた。

 

 

 

 

 

それから、夕飯の7時まで、みなそれぞれに、

 

海べに降りて、乙女のように貝殻を拾ったり

 

お風呂に浸かったり、マッサージを受けたりと、

 

 

思い思いに過ごした。

 

 

 

 

 

そして、いよいよ、お食事の時間だ。

 

 

 

 

今日の泊まり客は、私たちだけということで、

 

一階は、お食事のお客様がいらっしゃるけれど

 

 

 

二階は、お部屋の他に、こちらも自由に使われて良いですよ、

 

と、ご案内されたお部屋に、お食事が用意されていたのだが、

 

 

 

 

270度くらいのパノラマで、海が見渡せて

 

広い広いテラス付きの、超豪華なところだった。

 

 

 

 

ほー〜っと、思わずため息がもれる。

 

 

 

 

そのお部屋の、どっしりしたテーブルに4人は重々しく着いた。

 

 

 

 

日暮れにかかる海の景色が

 

何とも言えず、良い。

 

 

 

 

 

注文した生ビールが、上品な陶器のカップに入れられて

 

運ばれてきた。

 

 

 

 

 

く〜〜〜っ、イイねぇ…

 

 

 

 

と、誰もが心の中で叫んだ。

 

 

 

 

 

それからは、うれしい悲鳴のオンパレードで、

 

みな、一様にハイテンションになってきていた。

 

 

 

 

 

最初の器で運ばれてきたのは、夏越しの節句(なごしのせっく)

 

と、書かれた紙に、大皿の上に、竹の笹を丸く輪にしたものが三方になり、

 

ちょうど、茅の輪くぐりのようだ。

 

 

 

茅の輪をくぐるというのは、一年の後半、夏に入る時の儀式で、

 

厄落としの意味があり縁起の良いものだ。

 

 

 

 

 

こんな、素敵な所で、しかも貸し切りで、

 

こんなに縁起の良いものをいただけるなんて、

 

幸せすぎて泣けてくる。生きてて良かった。

 

 

神様仏様ありがとう!

 

 

と、心の中でつぶやいた。

 

 

 

 

 

その、前菜のあと、

 

 

「糸島、旬のお魚七種盛り逢わせ」

 

のお造りが、大皿の上に見目麗しく盛られて登場した。

 

 

 

見たこともないほどキレイな細かい透明な氷が

 

黒っぽいお皿の上でキラキラと輝いていた。

 

 

 

 

 

七種の上に、マッサージをしてくれるお兄さんのお心遣いで

 

もう一品、貝のお刺身がプラスされていた。

 

 

 

 

 

三種類のタレがきて、給しのお兄さんが

 

一つ一つお魚の種類とかも丁寧に説明された。

 

 

みな、熱心に聞き入った。

 

 

 

 

マグロと真鯛とイッサキと真アラと…

 

この、真アラの説明の時、ショウコが、マーラー?

 

と聞き返したので、何のことかわからなくなってうけた。

 

 

 

マーライオンですか?と聞いたら、

 

 

 

えぇ、口からバーっつと水はいたりして…と

 

給しのお兄さんもノリ良く返してくれたので、みんなゲラゲラ笑った。

 

 

 

 

 

それから、少ししかたっていないのに、

 

 

ショウコが、

 

 

この、お魚はなんですか?と、また聞いていた。

 

お兄さんは、もう一度細かく一つ一つを説明していた。

 

ゲラゲラ笑ったので、すっかり忘れたのだろう。

 

 

 

 

ショウコは、なんでも興味深く、良く聞きたがるほうだ。

 

 

だけどすぐ忘れる。

 

 

どうせ、すぐ忘れるのだから、聞かなきゃいいのに…

 

と思うのだが、そういうわけにはいかないらしい。

 

 

 

ショウコが、何度も聞いていたので、それでまた笑えた。

 

 

お酒も入って、ハイテンションになってきていたからか、

 

なににつけても、みなよく笑った。

 

 

 

 

それから、ヒラメのお造りも、お兄さんのサービスで出てきた。

 

大きな皿に薄くきれいに並べられている。

 

 

究極の食べ方と言っておしえてくれたのが

 

ヒラメの身を何枚かおき、その上にエンガワをおいて、

 

ワサビ、お塩、を少々乗っけて、ヒラメの身で巻いて

 

 

そのまま食べる、というものだ。

 

 

 

この、お塩が特別なお塩らしく、これがまた、

 

素晴らしくウマイ。

 

 

 

お塩だけの上品なお味で、ヒラメのお刺身を堪能した。

 

 

 

 

 

そして、次は蒸し物で、

 

 

鱧(ハモ)の湯引き 冬瓜、ネギ

 

が、運ばれてきた。

 

 

これに、鱧の皮がパリパリに揚げてあるやつが添えられていて

 

このパリパリしたやつは、このまま食べてもうまいのだが

 

 

 

湯引きのおつゆにつけて食べてもまたウマイ。

 

 

 

 

 

この頃、ユミコとヨウコは先ほどウェルカムで飲んだ

 

「うまい酒」を頼んでいて、

 

 

ユミコなどは、「あぁ、幸せだ〜、幸せ、幸せ…」

 

と、幸せを連呼していた。

 

 

きっと、今、極上の幸せ気分なのだろう。

 

 

わかるよ、その気持ち…

 

 

 

 

そうして、幸せをかみしめているうちに次のお料理が運ばれてきた。

 

 

 

「心念寺豆腐」というもので、お寺さんで出される胡麻豆腐だ。

 

ここ、一秀庵のオーナーのご実家が、心念寺というお寺さんらしく、

 

なるほどね、と思った。

 

 

 

 

 

 

しかし、私はここでハタと気がついた。

 

 

 

先ほどから眺めているお品書きの、

 

まだ、三分の一ほどしか進んでいなくて、

 

この先、まだ、あとの三分の二が、果てしなく続いているのだ。

 

 

 

 

 

私は、う〜ん、と唸ってしまった。

 

 

このさきの長い道のりが、少し不安だ…

 

 

 

 

 

 

 

そして、「箸休め」として、

 

 

小さなにぎり寿司が、6貫出てきた。

 

 

 

 

どこが箸休めなんだよ…と思いつつ

 

おそるおそる箸をつけた。

 

 

しかし、これがまたどれもこれも美味しそうだ。

 

ピーマンやら焼きなすの珍しい可愛らしい握り寿司が乗ってる。

 

 

 

どうやら、四つほど食べたところで、

 

もう、どうにも入らなくなった。

 

 

うーん、悔しいが入らん、と思い、皿の端によけていたのだが、

 

 

みんなが、口々に、こんなに美味しいんだから

 

ぜひ、食べたほうがいい、と言った。

 

 

 

そんなこと言ったって、入らないものははいらない、

 

わたしは、一応保留しとこうと、別によけておいた。

 

 

 

 

 

それから、口直しのトマトのレモン煮が、運ばれた。

 

 

 

これは、トマトが、甘く煮てあり、

 

スルスルっと入って、お兄さんが説明に来られた頃には、

 

もうみんな食べ終わっていた。

 

 

 

 

 

私はここで、気合を入れ直した。

 

 

 

 

 

もう、峠は過ぎている。いよいよ後半、あと少しだ。

 

ここで負けるわけにはいかない。

 

 

 

 

 

もう、さいごのあんみつまでは、先が見えてきた。

 

 

 

 

 

よっしゃ、と気合を入れて

 

私は次の料理に挑んだ…

 

 

 

 

 

 

 

これが、メインディッシュになります、と、

 

うやうやしく運ばれてきたのは、大きな大きなお皿に

 

 

お肉やら魚やら、伊勢エビやら、椎茸のシンジョやら、

 

タコの柔らか煮やら、ししとうやら、じゃがいもやらと

 

 

盆と正月がいっぺんにきたような賑やかな盛り付けだった。

 

 

 

 

 

私は腹をさすりながら、ぼんやりと、見つめていた。

 

 

 

 

 

こんなに、一体誰が食べるんだよ…

 

と思いつつ、伊勢エビに手を延ばした。

 

 

ヨウコなどは、「うわー、こんなに、大きい〜」と言って

 

一口で食べている。

 

 

ホントに大きくて、プリプリしていて、

 

食べ応えのある立派な伊勢エビだ。

 

 

結婚式などでお目見えするエビとはワケが違うね。

 

などと言いながら、大満足で食べた。

 

 

 

 

 

それから、みんなが柔らかい、と言って食べている肉に手を延ばした。

 

確かに柔らかくて、極上のお味だ。

 

 

 

 

 

しかし、みんなよく食べるよ、普通じゃないね、

 

私も決して食べない方ではないのだが、この三人は

 

ただもんじゃないね、

 

 

 

うすうす感じてはいたけれど、

 

私しゃ、すごい人たちと旅行にきたよ…

 

 

 

などと、内心一人でぼんやりと考えていた。

 

 

 

 

 

その間、ヨウコがししとうの辛いのに当たって

 

のたうちまわっていた。

 

 

 

 

 

肉のあとにジャガイモを食べて、これが美味しかったのでつい

 

2コも食べてしまった。

 

 

 

 

それから、タコの柔らか煮が、ものすごく柔らかくてウマイ!

 

と、ユミコが騒いでいたので、それも食べた。

 

 

ほんとに、ものすごくウマイ、

 

ウマイが、一つ食べるのが精一杯だ。

 

 

すごく悔しい。

 

 

こんなに、口惜しい気持ちになったのは久しぶりだ。

 

だが、もう、一口だって入らない。

 

 

 

 

 

さっき、私が残していた握り寿司を、

 

ユミコがもったいない、と言って食べていた。

 

強靭な胃袋である。

 

 

 

 

 

私は、もう、これ以上は

 

何がなんでも、入らない。

 

 

もう、入らん、入らん、と言いながらも、

 

我ながら、よく健闘したと思う。

 

 

胃袋よ、よく頑張った、と、褒めてやりたい

 

 

 

 

 

大きなお皿に乗ったお料理は、もうずいぶん食べ尽くされていたのだが

 

 

ショウコのいる方面に、お魚やら、椎茸のシンジョやら、じゃがいもやらが残っていた。

 

 

ヨウコとユミコが、これは、ショウコの受け持ちの分だ、と言っていた。

 

 

 

 

 

ショウコは、いや、私は一通り全部食べた、と言い張っていた。

 

 

 

 

それはそうだろう、私が、食べていないんだから…

 

 

 

 

 

 

 

と、内心思ったが、言わずに黙って置いた。

 

ヌレギヌを着せられたショウコには悪いが、本当にもう、

 

誰がなんと言っても、これ以上は無理である。

 

 

 

私の胃袋のどこに、これが入るすきまがあるであろう…

 

 

 

 

 

 

しかし、これで終わりかと思ったら、まだ、次があったのだ。

 

 

 

生姜の土鍋ご飯を、鯛味噌茶漬けでいただくらしい。

 

この辺になると、もうみんな食べれない様子を見せていた。

 

 

 

 

だが、給しのお兄さんは、涼しい顔で、土鍋のごはんをかきまぜていた。

 

 

 

 

この上に、ご飯はないだろう、

 

さっき食べた握り寿司は、いったいなんだったんだよ、

 

と言いたいのをぐっとこらえて、静かにごはんを眺めた

 

 

 

 

 

大きなお茶碗に、品良く少しだけご飯がよそってある。

 

生姜の香りが、何とも言えず、また良い。

 

 

 

 

 

これは、このままで食べてもきっと美味しいだろうと

 

みんなが言い合い、つい、そのまま一口食べてみた。

 

 

ウマイ!このままでじゅうぶんにうまい!

 

 

 

これをお茶漬けにするなんて、もったいないっ!

 

と思って、思わず二口食べた。

 

 

 

 

 

ご飯だけでもこんなに、美味しいんだから、

 

きっと鯛茶漬けにしても、ものすごくウマイんだろうな、と思うと

 

食べてみない訳にはいかない。

 

 

 

ここで負けたら女がすたる。

 

私にも女の意地というものがある。

 

 

 

 

胃袋を、さすりさすり、すこ〜しだけでもすき間を作るしかない。

 

 

 

生姜のご飯の上に鯛の味噌漬けを乗せて、細く細く切った刻み海苔

 

それに細かく擦ったゴマをかけて、おだしをかけていただく。

 

 

 

なんと贅沢なのだろう、

 

 

 

こうなったら、もう、胃袋のことなんか知るもんか、

 

あとは野となれ山となれ…

 

と、半ば やけになりながらお茶漬けをすすった。

 

 

 

 

 

 

 

それはそれは、みんな、豪快な食べっぷりだった。

 

 

あと、残すはデザートだけになり、

 

もうどうにでもなれと思っていた時に、給しのお兄さんがおもむろに

 

 

「お腹いっぱいになられましたか?」

 

と、聞かれた。

 

 

 

 

 

ええ、そりゃもう…

 

 

 

 

私たちの様子を察してか、デザートは、

 

明日の朝食でお出ししましょうか?と、ありがたい提案をしてくれた。

 

 

 

 

 

みな、間髪いれず、

 

ええ、そうして下さいっ!と言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、お部屋に戻った。

 

 

 

 

部屋には、もう、きちんとお布団が敷いてあり、

 

修学旅行さながら、まくら投げでもできそうな雰囲気だった。

 

 

 

 

 

まず、ヨウコがふとんに なだれ込んだ。

 

もう、一歩も動けないらしい。

 

 

うーん、胃が、胃が…といいながら、あとは何もしゃべらない。

 

 

 

 

 

ユミコとショウコは、しばらく休むと、それぞれに、

 

マッサージとお風呂に行動を開始した。

 

 

 

 

ユミコ、ショウコ、恐るべし!!

 

 

 

 

 

私は、もう少し休んでから、お風呂に行こう。

 

 

それにしても、食事の前にマッサージを受けて置いて

 

つくづく良かったと思う。

 

 

今からマッサージで押したり、伸ばしたりされた日には

 

胃袋ごと全部出てしまいそうだ。

 

 

 

ヨウコにも、無理をしない方がいいよ、と伝えた。

 

 

 

 

 

それからしばらくして、私はお風呂に行った。

 

内湯も露天風呂も有り、私だけのお風呂、まさに極楽気分だ。

 

 

幸せだ〜、幸せすぎるよ〜、神様ありがとう!

 

と、思わず感謝せずにはいられない。

 

 

ここで、いろんな偉い人達が

 

お風呂に浸かって、癒されたんだろうな〜

 

 

などと、ぼんやり考えていた。

 

 

 

 

 

お風呂から帰ると、ユミコもマッサージから帰っており、

 

 

すごく気持ちよかったー、スーッキリした、と言ったので、

 

 

それを聞いたヨウコもやっぱりマッサージを受けに行くことにした。

 

 

 

 

 

みな、それぞれにスッキリサッパリして、部屋に戻り

 

ストレッチなどをして、くつろいだあと、

 

 

 

 

 

あっ、そうだ…!

 

 

 

と、ショウコが、昼間買っておいた

 

プリンとロールケーキの事を思い出した。

 

 

 

 

今日食べないと、悪くなるよネ、

 

と言いあって、みんなで食べて、寝た。

 

 

 

 

 

みんな、ただもんじゃぁないね…( ̄▽ ̄)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

糸島旅行記 A

糸島 次の日

 

 

 

 

翌朝、目覚めた時、

 

みんなはもう、起きていた。

 

 

 

昨夜は雨と雷がひどく、

 

どうなっちゃうの?という感じだったので

 

私は寝たんだか寝てないんだか、よくわからない状態だった。

 

 

 

 

 

朝のお風呂は7時からだと、昨日聞いていたのに

 

ユミコは、6時半前にお風呂にいった。

 

 

待ちきれないらしい。

 

 

 

私は、眠たかったので何も突っ込まずにそのまま寝ていた。

 

でも、ユミコはすぐには帰ってこなかったので、入れたんだろうな〜

 

と、寝ながら考えていた。

 

 

 

ユミコがサッパリした顔で帰ってきた。

 

 

 

タオルもお湯もまだ、準備できてなかったので、

 

自分で勝手にお湯出して入ってきた、と言っていた。

 

 

 

自由な人だ。

 

 

 

 

 

それから、面々にお風呂に入って、みんな揃ってから

 

昨日お食事をいただいた隣のお部屋へ向かった。

 

 

 

 

 

豪華なお部屋に、もう、何やら

 

籠のようなものが用意されている。

 

 

 

籠の中身を覗くと、

 

何と、十品以上の数々のおかずが、

 

小さいお皿に彩り良く並べられている。

 

 

その一つ一つは、かなり上質な

 

素材を使ってあるのだということは、見ただけで分かった。

 

 

 

明太子などは、実に美しく上品である。

 

湯葉や焼き魚にも、心にくいほどのこだわりが感じられる。

 

 

 

温泉卵ときた日には、

 

黄身が大きく素晴らしいの一言である。

 

 

 

 

 

しかし、私はまた、ハタと考えた。

 

 

昨日の今日である。

 

これだけのおかずを考えると、どれだけご飯が進むのか計り知れない。

 

 

 

 

 

その上、昨日持ち越したあんみつが待機しているのだ…

 

 

 

あんなに胃袋に無理をさせたことは、今までにない。

 

昨日の分は、ちゃんと昨日こなしてくれたのだろうか。

 

 

一抹の不安を抱えながら、私は、席についた。

 

 

 

 

 

昨日からの私たちの様子を察してか、

 

ご飯は大きな器に、ほんのすこ〜しだけ盛ってあった。

 

 

 

 

釜で炊いたご飯は、ことの他美味しかった。

 

 

 

しかし、このおかずの量である。

 

絶対、ご飯が足りなくなるのは私にも予想できる。

 

 

 

 

ヨウコが、おかわりをつぎに席を立った。

 

 

 

 

やっぱりネ、

 

と、私は思った。

 

 

 

 

 

そして二杯目は、温泉玉子をご飯にかけて食べるらしい。

 

 

実にいい考えだと思った。

 

 

 

 

 

私は、あと、納豆と温泉玉子を残すのみ、となったが

 

もう、どちらも厳しかった。

 

 

 

昨日からの引き続きで、胃袋もいい加減にしてくれ、

 

と言いたいところだろう。

 

 

 

 

 

納豆も、柔らかくて美味しい、とユミコが言ったので

 

納豆は食べてみることにした。

 

 

 

ショウコもユミコもお代わりをつぎにゆき、

 

温泉玉子ご飯を食べている

 

 

 

 

 

信じられん光景だ。

 

 

 

 

よく入るヨナ〜と、つくづく感心した。

 

 

 

 

私が温泉玉子を残しているのを見て、

 

みんなが 「もったいない」 と言い出した。

 

 

 

いや、それでも私は、他のものは全部完食しているのだ。

 

温泉玉子ぐらい見逃して欲しい。

 

昨日からの私の胃袋は、実によく健闘してくれた。

 

 

 

もう、これ以上は無理だ。無理に決まっている。

 

 

 

あんたらの方がおかしいよ…

 

と言いたかったのだが、ぐっとこらえた。

 

 

 

 

 

ヨウコが、どうしても残すのはもったいないので

 

自分が食べる、と言ってご飯をつぎに行った。

 

 

 

 

 

私は、唖然としながら、

 

放心状態でその姿を見つめていた。

 

 

 

 

 

ヨウコが一口だけでも食べろというので、

 

ハイ、と逆らわずに一口食べた。

 

 

 

 

ホントに美味しいネ、これを残すなんてネ

 

 

できないよネ、

 

 

 

 

 

 

だけどもう、だべれません。

 

 

ヨウコ様にお任せします…。

 

 

 

 

 

 

最後にあんみつとお抹茶が用意された。

 

 

 

これは、別腹だ。

 

 

私の胃袋もせっせと空きを用意している。

 

上品で綺麗なあんみつを(しかし、量は決して少くない)

 

を、いただいて、私たちはもう、チェックアウトの時間なので

 

 

 

帰り支度を始めるのであった。

 

 

 

 

 

しかし、ホントによく食べたな〜〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

糸島旅行記 B

 

糸島帰路にて

 

 

 

 

チェックアウトを済ませ、私たち四人は玄関に降りた。

 

昨日きた時に出迎えてくれた蟹が、やはり同じところで見送ってくれた。

 

 

 

最後にお兄さんから、渡された袋には、小さなおにぎりが二個ずつ入っていて、

 

(ああっ、さっき食べきれずにのこした、あの、釜で炊いたご飯だ!

 

 

 

 

だとしたら、きっと、あの特別なお塩で握ってあるにちがいない!)

 

と、かってに興奮した。

 

 

 

車の中で食べてください、と言って渡された四つの袋は、

 

お店の方々の心が伝わり、キラキラと光って見えた。

 

 

 

 

 

最後の最後まで、本当に心憎いばかりのおもてなしをいただいた。

 

 

来て良かった、と心から思った。

 

 

 

 

 

それから、都市高速道路をしばらく走り、

 

私たちは、ikeaという大型の家具やさんによることにした。

 

 

 

 

家具屋さんというか、大型の、スケールのでっかいショッピングモールで、

 

室内展示場を順路に沿って見て回る、という感じだった。

 

 

 

 

大した物も買わないまま、一時間半ほどがあっという間に過ぎた。

 

 

結構つかれたので、みんな無口である。

 

 

 

そろそろ、休憩しよう!ということになり

 

一階のフリードリンクがあるスペースにたどり着いた。

 

 

それぞれに、思い思いの飲み物をとって、

 

さっき一秀庵を出る時にもらった袋を取り出した。

 

 

 

 

ここで、食べようという魂胆である。

 

 

 

 

 

小さくてきれいな三角のおむすびは、

 

ツヤツヤしていてとても美味しそうだった。

 

 

一つ一つアルミホイルにきれいに包んであり、

 

みんな、そ〜っと開けて、大事に食べた。

 

 

 

 

 

やはり、あの、マタイチの塩で握られているのであろう、

 

ほんのりとした甘みがあり、すごく美味しい。

 

 

 

絶品である。

 

 

 

 

おにぎりの他にもう一つ、アルミホイルに包まれているものがあった。

 

おにぎりよりも細長い形である。

 

 

これもそ〜っと開けてみた。

 

 

 

 

出し巻き卵であった。

 

これがまた、何とも言えず、うまい!

 

美味しくって泣けてくる。

 

 

 

 

ありがとう、一秀庵の皆さん、

 

また、きっと、行くからね…と心で叫んでいた。

 

 

 

 

 

そのとき、ふと、ユミコが、

 

「これはなんだろう?」 と言った。

 

 

 

 

 

ユミコの袋の中に、もう一つ、小さなアルミホイルで包まれた

 

何かが入っているではないか…

 

 

しかも、ユミコの袋にだけ…

 

 

 

これは一体なんだろう、と、みんなが興味を示した。

 

 

ユミコの袋にだけ、入っているなんて…

 

 

 

 

小さなアルミホイルの包みは、ユミコによって、

 

少しずつ少しずつ、開かれようとしていた。

 

 

 

 

 

やっぱり、マタイチのお塩かしら…

 

こんなに、小さいんですものね。

 

 

だとしたら、少しずつ舐めた方がいいのかしら…。

 

 

お塩だったら、こぼしちゃマズイよね。

 

 

 

 

 

みんな、息をひそめて、

 

ユミコが包みを開いていく様子を、じっと見守っていた。

 

 

 

 

 

もう少しで、全部開いて中身が見える、というところで

 

 

ユミコが

 

 

「あ、これ、私が包んだんだった。」

 

 

と、突然、思い出したように言った。

 

 

 

 

 

さっき自分が食べたおにぎりのカラを、

 

自分で綺麗にたたんだのだ。

 

 

 

 

 

あんまり綺麗に包んであったので、

 

自分がたたんだことをすっかり忘れてしまったらしい。

 

 

 

 

 

驚きである。

 

 

 

 

あまりのバカバカしさに、

 

みな、危うく椅子から転げ落ちそうになった。

 

 

 

あんなに、真剣に見守っていたのに…

 

 

 

 

 

 

それから、みんな、気を取り直して

 

ドリンクのお代わりをして、

 

 

 

私と、ショウコとヨウコは、ソフトクリームを食べて、

 

思い残すことなくikeaをあとにした。

 

 

 

 

 

途中、しばらくして都市高に乗ってから、

 

さっきの話題で盛り上がった。

 

 

 

面白かったネ、と笑っているうちに

 

段々おかしくなり、しまいには

 

 

みんな、腹を抱えて大笑いになった。

 

 

 

 

ヨウコなどは、運転しながら腹がよじれるほど笑っていた。

 

 

涙を流しながら笑っているうちに、あっという間に帰途に着いた。

 

 

 

 

 

今度は、パスポート取って、どっか外国に行こうね、

 

 

とか言っていた。

 

 

 

 

 

マジですか、みなさん…。(^^;;

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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